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AT徒然

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プレイヤー

 銃を撃つのに必要な資格とは、祈り。葬る敵の魂の安息を願う事。何処かのガンナーはそう言ったらしい。それだけあれば銃使いたる資格は十分だと。
 つまるところ、僕は無資格で銃を撃っている事になる。
 敵を殺すのに資格はいらない。想いもいらない。敵の急所に鉛弾をぶちこめばそれで済む。
 生きてゆくのに理想はいらない。魂などなくても人は生きていける。罅の入った剣が二つに折れても、刃を掴んで叩き込めば殺せる。
「人は己の信じる通りに生きるべきだ」
 どっかの士官はそう言った。
 信念? 僕の信じている事ってなんだろう? 僕に哲学など無い。僕が信じていた事ってなんだったのだろう? 敵を殺すのに哲学は必要ない。
 信じるもの。信じている事といえば、手に持つ銃の重みのみ。戦場で最も信じられるのはこれだ。武器だ。焔だ。力だ。力さえあれば生きてゆける。
「何故戦う?」
 僕の知った事じゃない。
 息をするのに疑問を持つか? 敵を殺すのに思想など必要ない。
 何も想わず殺す。それが戦士だ――いや、違うか戦士の男は、戦士は祈るものだと言っていた。では殺人機械だろうか。
 機械は何も想わず何も感じず、精密に殺す。
 殺人機械は電気羊の夢を見るのか。それは、きっと何処かの文豪が答えてくれるだろう、だから僕の考える事じゃない。
 ただ、思う事は、殺人機械はこんな事は考えない。
 コギト・エルゴ・スム? 我、思う故に我は在り。故に僕は機械ではない。
 人でなし、と女が言った。
 僕は人でなく、戦士でもなく、機械でもない。
 何処に行けば良い。
 何処に行けば良い。
 何処に行けば良い。
 それでも僕は何処までも人間だ。僕は何処までも弱い人間だ。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう……!」
 ライフルの弾倉を入れ替え、スライドさせ壁の陰から身を乗り出し、素早く構え発砲、発砲、発砲。
 敵兵が眉間から血を噴出させながら三人倒れた。転がるように走り抜ける。銃弾が足元をかすめて激しく踊る。
「ひっ、ひ、ひぃい! ひひひひひひひひひひひッ!!」
 行く先の途中の壁の陰で、味方の兵士が血の池の中で傷口を押さえて笑い声をあげている。ああ、あれは、死んだな。もう駄目だ。いっちまってる。


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過去フォルダより発掘。
こんな話も書いてたんだな、とふと思った。
こういう話って需要あるのかなぁ?



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